近年、メディアでよく見かけるようになっている藤井聡太棋士や羽生善治棋士、「ひふみん」こと加藤一二三さんの影響で将棋がブームになっています。
そんな将棋ですが、実は1回の対局において10の220乗パターンもの指し手(コマの動かし方)があるのです。
実際のプロ棋士同士の対局は2日かけて行うこともあり、その奥深い面白さに多くの人が魅了されています。
しかしながら、その一方で将棋初心者にとってその選択肢はあまりに多く、難しいと思う人も多いと思います。
いざ対局を始めてみたものの、「どの駒を動かしていいのかわからない」、「どのように考えたらいいのかがわからない」といった声もよく聞きます。
そんな声に応え、プロ棋士の青野照市九段が「9マス将棋」というゲームを考案しました。
今回は、初心者でも将棋を楽しく学べる「9マス将棋」を紹介します。
概要
9マス将棋とは、「3×3マスの盤」と「8種類の駒」を使って対戦するミニ将棋です。
日本将棋連盟・青野照市九段の「これから将棋を始めたい人や駒の動かし方を覚えたばかりの人に、将棋の基本や面白さを知ってもらいたい」との思いから考案されました。
9マス将棋の開封・内容物
9マス将棋のパッケージ。少し大きめの参考書サイズの箱です。
裏面はこんな具合。
9マス将棋についての簡単な説明とセット内容が記載されています。
箱の内容物は以下の通りです。
- 駒2セット(8種類×2)
- 3×3の将棋盤1枚
- 遊び方ガイド1冊
まず、駒ですが、サイズ的には普通の駒とほぼ変わりません。
9マス将棋では、「王」・「飛車」・「角行」・「金」・「銀」・「桂馬」・「香車」・「歩」をそれぞれ1枚ずつ使います。
これら8枚の駒がもう1セット入っています(片方は王のみ玉になります)。
次に将棋盤ですが、これもマス目は普通のものと同じか、やや大きめです。
なお、通常の将棋盤との一番大きな違いは、本製品の将棋盤が紙製だということです。
かなり硬めの紙質ではありますが木の板ではない為、曲げれば折れるので扱いには注意が必要です。
特に裏返して裏面を見ると色紙感が強いです。
材質的には色紙を思い浮かべていただくと宜しいかと思います。
普通に扱っていれば問題はないと思いますが、強い力を加えれば折れる強度ですので、注意しましょう。
と言ったものの、この紙製の将棋盤に駒を打ってみると「ピシッ!」とまあまあ良い音が出ます。
紙製ですので、木製のものと違って軽量で値段も安く、悪いことばかりではありません。
あくまで私の場合ですが、音が印象的でした。
なお、実際に将棋盤に駒をセットすると、次のようになります。
結構、スタイリッシュな感じではないでしょうか。
最後に、遊び方ガイドです。
表紙が目次を兼ねており、「ルールの解説」と「実践」の2部構成になっています。
全32ページという、結構ボリューミーな小冊子です。
前半の11ページには将棋のルールが記載されています。
具体的な内容としては、次の通りです。
- 将棋の基本(挨拶の大切さ・駒の並べ方・符号の呼び方)
- 駒の名前と動かし方
- 駒を取る、使う、成るの説明
- 王手と詰み
- 反則と特殊ルール(禁じ手と千日手)
- 詰め将棋の練習問題(6問)
9マス将棋に留まらず、通常の将棋(本将棋)の説明も載っています。
将棋入門・初心者の方は、ここで将棋のイロハを学ぶことができそうです。
後半部ですが、9マス将棋を実践していくことになります。
最初にルールと遊び方の説明があり、その後「40個の初期配置」が書かれているのでプレイしましょう!
9マス将棋のルールと遊び方
9マス将棋の遊び方とルールは以下の通りです。
ルール
- 駒は全部で16枚あります。
- それぞれの駒の動かし方や、基本的なルールは将棋と同じです。
- 駒を「成る」ことができるマスだけが将棋とは異なります。敵陣の一段目が成れる場所です。
- 手番(どちらが先に指すか)はジャンケンなどで決めます。
遊び方
- 40通りある初期配置のパターンから配置を決めます。
- 初期配置を選んだら、同じように盤に駒を並べます。最初から持駒を使う場合もあります。交互に一手ずつ駒を動かして、先に相手の〔玉〕を詰ませたほうが勝ちです。
- 「入門」「初級」「中級」「上級」とレベル分けしているので、初心者の方は順にステップアップするほうが良いです。すでに将棋に親しんでいる方は、レベルに合わせて自由に楽しんでみてください。
9マス将棋の魅力・メリット
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基本動作を1日で習得
初期配置などで、駒を絞ってゲームを行います。なので、一つ一つの駒の動きをしっかり確実に覚えることができます。 -
振り返りしやすい
9マスということもあり、どのように駒を動かし勝敗が着いたのが、振り返ることができます。振り返りを行うことで、将棋が身についている感覚を感じられます。 -
詰みの感覚が鍛えられる
9マスと小さな盤面の為、王手の応酬になります。入門編、初級編の初期配置は、早くて一手目、遅くても三手程度で王手となるので、短時間に詰みの感覚が鍛えられます。 -
一人でも遊べる
一応、対戦を前提に作られているゲームですが、遊び方ガイドの後半に載っている40個の初期配置は、「詰将棋」のように1人でも遊ぶことが可能です。手軽にさっと出して、さっと駒を並べ、一人で先手、後手役になって遊べます。 -
サイズがコンパクトで持ち運びやすい
将棋の81マス盤、駒40枚に比べて、9マス将棋では9マス盤と駒16枚になります。使用する駒が少なく、盤も小さいので、持ち運びがとても簡単です。旅行へ行ったときの持ち運び玩具として利用できます。外出先で子どもが遊ぶ用に持ち運ぶのに便利です。 -
短時間で終わる
9マス将棋なので勝負がすぐにつきます。1ゲームを相当じっくり考えたとしても10分もあれば終わります。短い時間なので集中して遊ぶことができ、早く勝ち負けを決めることができるので、子どもに向いているおもちゃです。
まとめ
将棋なので対戦を前提に作られているゲームですが、「詰将棋」のように1人でもプレイできます。
「将棋を始めてみたい」という方だけでなく、「1人でもできるボードゲームがやりたい」、「頭を使うボードゲームがしたい」という方にもオススメです。
初級者は勿論ですが、有段者でもパズル的要素があって楽しめると思います。
9マス将棋は、誰かと対戦して遊ぶことも、一人で詰将棋のようにパズル感覚で楽しむこともできる、ひとつで二度美味しいボードゲームです。
興味を持たれた方は、遊んでみてはいかがでしょうか。
補足:9マス将棋をさらに楽しむために
9マス将棋カード
上記40通りに加え、新たに16通りが追加され、計56通りの初期配置が楽しめる9マス将棋カードが発売されました。
めくったカードの初期配置で勝敗をつけていくと言う遊び方です。
9マス将棋の本
9マス将棋の本も発売されています。
9マス将棋における各駒の特徴や使い方などが図で書いてある感じです。
内容については、ルール説明から始まり、入門編・初級編・中級編・上級編と章ごとに解説が続き、最後にオリジナルの初期配置が10問用意されています。